岩山健一氏

第2回「多重構造、下請けの問題点」

せっかく建てた家が、欠陥住宅だったら――。
この誰にでも起こり得る非常事態に対し、一般の消費者はあまりにも無力。そのため近年注目を浴びているのが、建築検査=インスペクションだ。
建築検査はどのようなことをしてくれるのか、欠陥住宅はなぜ生まれ続けるのか。
外装インスペクションを請け負うプロタイムズ総研代表取締役・大友健右と、建築検査で活躍してきた建築ジャーナリスト・岩山健一が縦横無尽に語り合った。

欠陥住宅は手抜き工事の結果ではない!?

大友先生は建築検査を行われているわけですが、施主側から「決着までもっと深く入り込んでください」と言われることはありませんか。

岩山もちろんあります。

大友お客様の視線で見たソリューションというのは、欠陥住宅が明らかになって、裁判が必要であれば行い、最終的には作り直させるという形になると思います。岩山先生はしっかり施工を管理していくわけですね。

岩山そうです。裁判をやって示談金を取った、そのお金で直す時に我々が検査に入ります。

大友弊社は施工会社でもあるので感じるのですが、世の中のディスカウントの流れがそのまましわ寄せとして現れているのではないか、と思うことがあります。下請けなどの問題もあると思いますが、先生は欠陥住宅がなぜ生まれるのか、どのように考えていらっしゃいますか。

岩山私が見たかぎりでは、金額はあまり関係ない。手抜きをしても、そんなに大きな利益は生みません。

大友健右

大友やたら工程が伸びたりはしませんか。

岩山と言うより、知らないことが多いんです。

大友ああ、やった“つもり”の施工になっている。

岩山そう。手抜きではないんです。あるマンションの検査をした時は、25世帯ぐらいが全員引っ越しになりました。音がうるさいと言うので検査したら、置き床(乾式二重床)の足の位置が違っていたり、直せないような問題がいっぱい出て来た。それで一度壊して直すことになったんです。

大友それは工期と金額の関係で手間をかけられなかったということではないわけですね。

岩山そうではないですね。設置すべきでない所に設置してしまった。それでも金額は変わらないわけです。言わば無知・無学の産物です。手抜きではない。

大友かつての欠陥住宅の事例を見ると、安売りしすぎてそうなったのではないか、と思ったりもするのですが。

岩山筋交い材や金物を省いても金額的にはそんなに変わりませんから。有名な事例では、設計に問題があったことがわかって、建築士が何人か処分されていますね。

大友あの事例の本質は何だったと思われますか。

岩山能力不足です。手抜きではない。筋交いを一本書かなかったとしても、設計の手間は変わりません。おそらくプランの変更があった時に構造の所まで直さなかったのでしょう。

大友新築住宅を購入する時、欠陥住宅を避けるポイントというのはあるのでしょうか。

岩山新築検査が一番有効ですね。新築している所をインスペクターが検査する。施主本人が検査することもあるのですが、まず防げません。「自分でできる精一杯をやったのですが……」ということになる。施主さんはたくさん写真を撮っていることが多いのですが、中にはおかしな写真がある。それに気づかないのです。

大友後から考察する材料にはなるわけですね。

岩山はい。その写真をエビデンスとして建て直しにさせた家が何軒かあります。

多重構造問題を考える

大友マンション、戸建住宅を問わず、建築検査はこれから増えていくと思いますか。

岩山増えてくるでしょうね。オリンピックで先送りになった観がありますが、住宅はこれから減っていきます。建設業界も冷え込んでいく。すると、懸念されていたように「金額を削るための手抜き」が横行してくるかもしれません。今までは単に施工の知識不足に起因していた欠陥住宅が、お金を削るために生まれるようになると、品質に大きく影響するようになる。大変なことになると思います。

大友それは起こり得ると思っていらっしゃる。

岩山起こり得ると思います。

大友私達は外装リフォームを手掛けていますが、確かにこの業界では多いです。

岩山単一業者で見ると、仕入れを安くする、工程を削減するといったことになってくるでしょうね。

大友施主側の社会通念と施工側の社会通念の乖離がものすごくある気がするんです。外装の世界では、塗料を薄めて塗っていたりする。

岩山3回塗りと言っておいて、2回、1回しか塗らないとか。

大友手抜きが非常に多いんです。

岩山下請け、孫請けがなくて、元請けと現場で作業する人が近ければ近いほどみんなで利益を分け合えますよね。そこを努力すべきだと思います。

大友多重構造になりすぎている。

岩山それが原因の一つでもありますよね。

大友健右と岩山健一氏

大友医者と同じですね。信用があるけど高いお医者さんと信用がないけど安いお医者さん、どちらを選ぶかは消費者判断になってくる。

岩山公共工事も、どんどん価格が高騰する問題があるでしょう。金額が不透明、根拠がわからないというのは建設業特有の課題ですよ。平米単価も、突き詰めて考えると意味がわからない(笑)。

大友先生の所に「価格を見てくれ」という依頼が来ることはありますか。

岩山ありますけど、私達は価格より「どういう要素が含まれているのか」を見ます。それから図面と見積書が整合しているかどうか、漏れはないか。

大友「価格の正当性」についての依頼はない?

岩山例えあったとしても、それだけを対象にすることはまずありません。もちろん、単価が高かったりすれば目に付きますから、それは指摘しますけど、他と合算されていたりすることもあるので、なかなか難しいです。

大友付加価値の評価はできると思いますか。

岩山付加価値の評価はできないですね。

大友消費者から考えれば、先生に依頼する時の付加価値はありますけどね。

岩山いやあ、それは結果が出てから、皆さんに感じてもらえるかもしれないですけど(笑)。 プロタイムズ総研では、価値あるサービスを提供するために力を入れていることがありますか。

大友前回述べた技能研修や塗装技能オリンピックの他に、「現場革命部」という部署を設けて職人を雇用・育成しています。「施主様に喜ばれる塗装とは何か?」を常に考え、業界でも稀に見る結束力と、高い使命感を持ったチームだと自負しています。

岩山それは心強いですね。

公正な目で建物を見てもらうには
外装インスペクションの重要性
対談者:岩山 健一氏(一級建築士・建築ジャーナリスト)
岩山 健一氏
1956年生まれ。株式会社日本建築検査研究所代表取締役。一級建築士、建築ジャーナリスト。 欠陥住宅問題をいち早く正面から捉え、消費者側の代弁者として現在まで数多くの紛争解決に携わり、その件数はゆうに2000件を超える。テレビ各社報道番組や特別番組、ラジオ等にも出演し2005年からはTBS「今日発プラス」のレギュラーコメンテーター、テレビ東京「完成ドリームハウス」の監修、2007年からはテレビ朝日「スーパーモーニング」欠陥住宅コーナーなども務める。雑誌プレジデント、新聞の連載記事「自分の家は自分で守る」の執筆や、欠陥住宅裁判鑑定人としても活躍。著書にロングセラー「欠陥住宅をつかまない155の知恵」「欠陥住宅に負けない本」「偽装建築国家」などがある。
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