雨漏り二次被害

北側窓上部の雨染み

雨漏りを放っておけない本当の理由

「天井にちょっと染みができたけど、実害はないから、まあいいか」という方もいらっしゃるかもしれません。でも、ちょっと待ってください。「大した雨漏りじゃないから、まあいいか」と思っているとしたら、それは大変な間違いです。
「雨漏り二次災害」という言葉があります。雨漏りによる水分や湿気が原因で、雨漏り箇所の周りの正常な部分にまでダメージが及ぶことを指した言葉です。具体的に言うと、天井に染みができたり、壁にカビが生えたり、カビ臭くなったりする……つまり、通常「雨漏りが起こっている」と言われる状態は、すでに雨漏り二次被害なのです。

意外に思われるかもしれませんが、少し考えればすぐわかります。雨漏りは建物の外部が劣化したり損傷したりすることによって起こります。これが一次被害ですが、通常はなかなか気づきません。建物の内部で変化が生じて初めて異変に気づき、雨漏り修理を依頼するのが普通です。しかし、その時点ですでに屋根裏や壁の内部など、裏側では症状が進行している場合が多いのです。したがって、雨漏りに気づいた時点で「手遅れ」になってしまう。つまり、大規模な改修工事が必要になってしまうこともあるのです。

怪しいと思ったらすぐにケアを!

実際に「天井に染みができているな」と気づいて半年ほど放置していたら、屋根の防水処理の不具合が原因で漏水が起こっていた例があります。この漏水は数年前から発生していたらしく、調べてみると壁の内部や軒板まで腐食が進んでいました。
外壁から雨水が浸入したので修理を行ってみたら、少し離れた場所でシロアリが発生し、柱を食い散らかしていたという例もあります。木材が湿気を帯びるとやがて腐敗します。するとシロアリが寄ってくるのです。雨漏りをしている場合は木材がすぐに腐るので、ますますシロアリにとって繁殖しやすい環境になるのです。

鉄筋コンクリート作りの家でも、サッシ周りなどから雨水が浸入することがあります。コンクリート製なので下の階などに水が漏れることはあまりありませんが、逆に水が溜まってしまい、数年で床材などを腐らせてしまうこともあります。
ここで紹介したのは、雨漏り二次被害が特にひどかった例です。いずれも多額の修理代がかかりましたが、症状は単なる染みだったり、雨漏りとは直接関係ない場所で腐食が進んでいたりと、外見からは想像もできないほど建物が傷んでいた点が共通しています。「雨漏りはすでに二次被害」ということを念頭に置いておき、何かあったらできる限り早期にケアしたいものです。

サッシの下枠部からの雨漏り〜輸入サッシにご用心

雨漏りに詳しい人であれば、サッシ周りを用心するのは常識です。特に輸入サッシを使っている場合は、その収まりに問題が出る場合があります。
バルコニーなどに設置された窓サッシは、雨や風が吹き付ける環境にあることが多いものです。バルコニー前が駐車場などの開けた土地であれば、さらに風雨の当たりは強くなります。当然雨漏りのリスクは上がりますが、普通はそう簡単には浸水しません。ところがサッシの収まりが悪いと、容易に浸水してしまうことがあります。

例えば、ある家では台風のとき輸入サッシの下枠部から雨漏りがしました。原因はFRP防水とシーリングの隙間に生じた穴、そしてサッシを固定した捨て枠と壁面木部の隙間でした。実は輸入サッシの下枠部にはフィン(サッシの外側に出っ張っている板。釘で固定することができる)がないことが多く、防水テープの施工が難しいのです。また、FRP防水の仕方にも工夫が必要です。普通であれば、フィンを利用して外壁の立ち上がり部・サッシ・防水シートを防水テープなどで一体化するのですが、輸入サッシではそれが困難。この家では、サッシ下の外壁立ち上がり上端までFRP防水を施し、サッシ下枠部との隙間はシーリングで埋めていました。施工会社はこれで雨仕舞いは完璧だと思ったのでしょうが、実際にはFRP防水とシーリングの隙間に生じた穴から吹き込んだ雨が浸入。雨はサッシを固定した捨て枠と壁面木部の隙間を通り(このため捨て枠は濡れていませんでした)、石膏ボートの裏を伝って室内に浸水、じゅうたんをビショビショに濡らしたのです。

本来の雨仕舞いの発想に従えば、FRP防水は屋外側から木部の上面まで巻き込んで丁寧に施工し、その上でサッシを組み込むようにして、浸水の恐れを少しでも減らす工夫をするべきでした。

輸入サッシは大手メーカー製のサッシとは形状が異なり、特に四隅や下枠部が弱点になると言われます。四隅にはピンホールができやすいので注意が必要ですし、下枠部は先に述べたような工夫のほかに、できればシーリングも3列ほど施工して土手をつくり、雨水を浸入しづらくしたいものです。壁の下地材に浸水しないように配慮すれば、リスクは大幅に減少します。

ちなみに、この家では施工会社に雨漏りを伝えたところ、「台風だから仕方がない」と言われたそうです。前回ご紹介したやってはいけない対処法の典型ですね。顧客との信頼関係を損なう対応は厳に戒めるべきでしょう。
(参考資料:『雨漏りトラブル完全解決』日経BP社)

[執筆者]池上政之(プロタイムズ総研現場革命部)
池上政之
記事をご覧いただきありがとうございます。当ブログ記事は現場職人の視点から一般的な色について解説しています。
なお、プロタイムズ総研では実際の施工現場にて随時勉強会を開催しています。職人の立場から手抜き施工を防ぐ方法や屋根・外壁の劣化状態の見極め方などご説明いたします。参加費も無料となりますのでよろしければご参加ください。正しい塗り替え勉強会(施工現場見学会)についてはこちらをご覧ください。お待ちしております。
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