雨仕舞いと防水の違い

防水工事

雨漏りを止める条件

雨仕舞いは防水の一種と捉えられることもあります。建物に水が入らないようにする点ではどちらも同じだからです。しかし、雨漏りという現象を分析すると、この2つは別々の雨対策だということがわかってきます。

石川廣三著『雨仕舞のしくみ』によると、カナダの建築研究所のG.K.ガードナーは雨漏りが起こる条件として次の3つを挙げたと言います。

  1. 雨水が通り抜ける孔(隙間)が存在すること
  2. 孔のまわりに雨水が存在すること
  3. 孔を通して雨水が移動するための力が働くこと

このうちどれか1つでも修正すれば雨漏りは起きません。そして、①を防ぐには防水効果の高い材料を適切に施工すること=防水が必要になりますが、②③を防ぐためには雨水をコントロールして排出する雨仕舞いの発想が必要になります。見方を変えると、①を防ぐには建物外面に水を通さない連続面を形成することが必要ですが、②③では雨水を近づけない、入り込ませない施工を工夫することで防水材料に依存しなくても雨水の浸入を防ぐことができます。また、部材と部材が不連続であっても雨仕舞いはその効果を発揮することが可能です。

雨仕舞いと防水で補い合う

『雨仕舞のしくみ』では、さらに詳細に防水と雨仕舞いを比較しています。

防水の効用は「水を止める」という単一の機能で説明できます。しかし、雨仕舞いは水を止めるだけでなく、汚れを防止したり劣化を軽減するなど、より広い効果が期待できる特長があります。一方、雨仕舞いを適用できる範囲は屋根と外壁に限られますが、防水は床・地下・水槽・プールなどにも施工が可能で、デザインの自由度も高くなります。雨仕舞いでは形態や部材の納まりで雨対策を行うので、例えば屋根をフラットにすることなどは考えられません。また、雨仕舞いでは風雨の強さによっては有効性に限界が生じますが、防水の場合は風雨の負荷に対する限界は理論上ありません。

他方で施工やメンテナンスに関しては、防水の方がやや不利だと言えます。高度な工事管理がなければ防水工事は成功しませんし、防水材料は有機質であることが多いので耐用年数も短めです。雨仕舞いは施工技術や工事環境に影響を受けることが少なく、基本的には長期間同じ性能を維持し続けることができます。

このように雨仕舞いと防水を比較していくと、両者には一長一短があることがわかります。雨仕舞いは意匠に制限を与え、しかも水を止める決定打とはなり得ません。一方、防水は施工によって信頼性が左右され、メンテナンスをまめに行わなければ劣化が進んでしまいます。『雨仕舞のしくみ』では、両者の優れた面を活かして欠点を補い合うことを「最良の道」として推奨しています。

[執筆者]池上政之(プロタイムズ総研現場革命部)
池上政之
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