雨漏りとずさんな雨仕舞い

バルコニーの劣化
※写真はイメージです、記事内容とは関係ありません

設計段階で起こった雨仕舞いのミス

雨漏りなどの不具合が発生した場合、疑惑の目はまず施工会社に向けられます。しかし、中には設計が原因で不具合が生じた事例もあります。特に雨仕舞いは経験が物を言う分野でもあり、設計者が基本を押さえていないと信じられないような不具合が生じることも。今回紹介するのは、実際にトラブルが続出した豪邸のエピソードです。

防水紙が施工されていない!

この豪邸は、斬新なデザインで知られていた設計者に建て主が設計を依頼した物件で、総工事費は1億円をはるかに超えていたと言います。ところが完成して3ヵ月が過ぎると、外壁、バルコニーの手摺壁、プールの塀などでひび割れや水膨れが発生。仕上材と下地材を剥がすと、出て来たのは腐朽した合板。つまり、防水紙が施工されていなかったのです。同時に、通気層の確保もないがしろにされていました。

また、この豪邸は鉄骨造だったのですが、外壁やバルコニーの手摺壁も定石から外れた施工がされていました。普通なら押し出し成形セメント板やALC(軽量気泡コンクリート)で施工するところに樹脂モルタルを使用し、下地にはケイ酸カルシウム板と合板を重ねているだけだったのです。

バルコニー周辺は最も雨水の浸入が激しくなっていました。笠木には水切りが取り付けられておらず、裏側に錆が生じてシーリング材との間には隙間が発生。仕上材の樹脂モルタルには厚不足からひび割れが生じて浸水を招き、手摺壁と外壁の接合部では下地材の立ち上がりが10mmしかありませんでした。プールの塀もバルコニーとほぼ同じ作りだったので、同様な雨水浸入パターンが起きていました。

鉄骨造の死角?

住宅瑕疵保険会社の設計施工基準では、鉄骨造湿式工法の防水措置に関しては設計者や施工者の裁量に委ねられる部分が多いと言います。つまり設計者が雨仕舞いを十分理解していないと、設計通りに作られたのに基本から外れた住宅が生まれてしまう可能性があるということです。

この豪邸の建て主は設計事務所と施工会社に対して訴訟を起こし、損害賠償が認められました。補修工事では基本に忠実な施工がなされ、きちんと透湿防水シートを使い、通気層も確保されました。しかし、補修時に新たな合板の腐食が見つかったり、通気層確保の対策費なども必要になったので、トータルの工事金額は賠償金額を大きく上回ったそうです。

しっかりした住宅を手に入れるためには施工会社同様、設計者を選ぶ際も実績や評判などを確かめておくことが必須だと言えるでしょう。
(参考:『雨漏りトラブル完全解決』日経ホームビルダー)

[執筆者]池上政之(プロタイムズ総研現場革命部)
池上政之
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